デュエル・マスターズ 背景ストーリー
十王篇
第1章
切札×鬼札
キングウォーズ!!!
零龍の脅威は去り、超獣世界に平和が戻ってきた。そんなある日、自然文明の大長老は、平和を守った4人のマスターを呼び出したのだった。勝手にレインボーの力を解放した事を叱責した自然文明の大長老。しかし、最終的に、世界を守ってくれた4人のマスターへレインボーの力を授けることにした。レインボーによって文明を超えた力を得た4人のマスターたちは、自分たちの仲間を「チーム」と呼ぶことにした。
・ジョーカーズのマスターがレインボーの力でさらにパワーアップ!そして生まれたのがチーム切札だ!!
・チーム切札のキングは、クリーチャー世界外に存在する偉人やヒーローの力をクリーチャーに与える能力を得たのだ!
・レインボーの力を手に入れたジョー様が生み出された、新たなる相棒、それがモモキングなのです。 — ノー千休
・キリフダッシュ!それは、他のクリーチャーの攻撃を利用して、ヒーローたちが戦いの場にダッシュで駆けつける力だ!
・ジョーカーズ星もレインボーの力に溢れた結果、新たにチーム切札の本拠地となったのだ!
・チーム切札はジョーカーズたちのチーム!だが、しかし、そのレインボーの力に導かれ、様々なクリーチャーが仲間入りした。




レインボーの力を手に入れた火文明のマスターは、闇文明の侵略で荒れた大地をマジで修復しつつさらなるボンバーな世界とするために、チームボンバーを結成した。火文明のマスターがレインボーの力を得て結成されたチームボンバー。そこでは新たな能力を持ったウサギ型のビートジョッキーたちが活躍している。
・火文明のマスターが手に入れた新しい力。それが、本気を超えた本気をみせることで仲間を集めることができるマジな絆の力、マジボンバーだ!
・マジボンバー!それは、チームボンバーのメンバーがマジでボンバーな仲間を呼ぶための力。攻撃し続けていれば、どんどんメンバーが増えるのがチームボンバーなのだ!
・他のマスター候補がレインボーによって全く新しいチームを作る中、チームボンバーのキングは、これまでの仲間とともに新たなチームを作り上げた。
・チームボンバーは絶対に負けない!なぜなら、マジな奴らが本気でボンバーしているからだ!
・「マジ」とは何か!? それは、とにかく本気であるということだ。チームボンバーでは、力があるか否かではなく、どれだけ本気になれるかが重要なのだ。
・「ボンバー」とは何か!? それは、とにかく全力であるということだ。チームボンバーでは、実力があろうがなかろうが、全力であることが評価される。
・U・S・Aとチュリス。チームボンバーのマスコットの座を互いに狙い合う両陣営だったが、互いがマジでボンバーなことは認め、尊敬し合っている。


零龍との戦いで一度は失った記憶を取り戻した光文明のマスター。大長老に導かれ、守りたいものを確実に守れる強さと世界を識る知恵を手に入れ、チーム銀河を結成した。かつて、自身の正義のみを盲信していたチーム銀河のキング。しかし、友たちとの出会いとレインボーの力によって、より広くの世界を識る力を手に入れたのだった。
・ギャラクシールド!それは、チーム銀河が正義を守るために生み出した攻防一体の新技術!まずはメンバーを防壁とし、その後、戦場に出撃させるのだ!!
・チーム銀河のキングマスターは、誰にとっても正義そのものであるといわれている。
・レインボーの力を得たチーム銀河のキングは、自身の正義を貫くために、守りに特化した鉄壁の軍勢を作り出した。
・チーム銀河では、お互いを高め合うために、キングから与えられた称号で呼び合うルールが設けられている。
・チーム銀河の中でも一騎当千の戦力を持つために特別な称号を与えられた、栄誉ある者たち。三人一組で四つの方角をそれぞれ守護する。それが十二神騎!!!


水文明のマスターは、手に入れたレインボーの力で、生命の新しい可能性と真のパラダイスをめざすためにチームウェイブを結成した。個性派揃いのチームウェイブは、注目されればされるほど能力が増していき、強力な力を発揮する、それがバズレンダだ!
・バズレンダ!それは、お互いを評価し表現できる天国を求めた、チームウェイブのキングが作り出した能力!「バスレンダ」を集めれば集めるほどパワーアップするのだ!
・水文明に残されたネットワークの力。チームウェイブのキングはそれを利用して、天国に繋がるスーパーネットワークシステム「Instant Wave」を生み出したのだ!
・チームウェイブには、チームに入らないと投稿できないスーパーネットワークシステム「Instant Wave」があり、メンバーはそこで全世界に情報を発信しているが、ルールを破るとコンプライーグルが飛んでくる。
・「Instant Wave」にアップする画像や動画は基本的にどんなものでも自由だが、あまりに過激すぎる内容に対してはコンプライーグルが飛んでくる。
・かつての水文明のマスターは、チームウェイブのキングとなった。そして、今度こそ真の天国を目指すため、日々チームのメンバーと協力している。
・水文明に残されたネットワークの力。チームウェイブのキングはそれを利用して、天国に繋がるスーパーネットワークシステム「Instant Wave」を生み出したのだ!
・「Instant Wave」は純粋に誰もが楽しむためのネットワーク。そこにはかつての水文明のような陰謀など存在しないのだ!!
・チームウェイブのキングマスターになるためには、最もフォロワーが多い必要がある。そして、現在のキングマスターのフォロワー数は1兆なのだ!!
・チームウェイブが「Instant Wave」でバズレンダを集めるにはみんなが注目するタイトルと画像が重要!優秀な作品はみんなからバズレンダされまくって、伝説として語り継がれるのだ!!
・チームウェイブが目指す天国、それは、あらゆる者が自由に自分を表現し、お互いに評価し楽しみあえる世界である。


超獣世界の果ての果て、幾億光年の彼方から龍頭星雲を通じて襲 来した鬼札王国。
彼らの目的は、デュエルマスター候補たちを倒して全世界を支配下に置くことだった。
零龍を倒すため、ジョーカーズのマスターは禁忌の力であるレインボーに触れてしまった。それをデモニオが遥か彼方から察知したことで、キングマスター同士の戦いが幕を開けたのだ。
鬼札王国の覇王、ジャオウガは、強者に戦いを挑んで倒しては、勝利の証にその一番大切なものを奪うということを繰り返してきた。鬼札王国を支配するデモニオたちが、もともとどんな存在であるかは誰も知らない。だが、あの龍頭星雲の向こうからやってきた、圧倒的に危険な存在であるということだけは間違いない。
・鬼タイム、それは夜になると凶暴・凶悪となる鬼札王国の力。時がたてば、体の鬼紋が妖しく輝き、鬼タイムがやってくる。
・鬼タイムは夜の帳が落ちると訪れる。その時を早めるために、コダマンマたちは鬼札王国で踊り続けている。
・鬼札王国には、大小様々なデモニオがいる。その中で「鬼」を名乗ることが許されているのは、選ばれし者だけだ。
・なんとジャオウガは龍頭星雲からドラゴンを復活させる力を持っていた!今まで絶滅したと思われていたドラゴンたちが、超獣世界に蘇る!!
・デモニオに伝わる鬼巻物には、自身の血と引き換えに巨漢を呼び出す秘術が記されている。
ガイアハザードを倒され、姫を人質に取られた大長老は、ジャオウガに従う5番目の王国「不死樹王国」のキングとして世界を侵攻させられることとなった。姫を人質にとられた自然文明の大長老は、姫に危害を加えさせないかわりに、鬼札王国とその配下である3つの王国にもレインボーの力を与えさせられた。そして、自らも不死樹王国の王となってしまったのだった。レインボーの力を感知し、大長老を襲撃した鬼札王国。そこで手に入れたレインボーの力によって、史上最強最悪の鬼軍団が生み出されてしまったのだ!



鬼札王国に続き襲ってきた不死樹王国!それを率いるのは、マスターたちにレインボーの力を与えた大長老だった。ギガンディダノスは、ジャオウガが大長老に与えた忠実な部下ではあるが、同時に、大長老が鬼札覇王連合を裏切らないように監視する役目も与えられている。レインボーの力をつかさどる大長老だが、ドラゴンとジャイアント、かつての巨大種族の力を併せ持つギガンディダノスの監視の前では姫を助ける隙を見出すことができないのだった。
不死樹王国の大長老は、死から生へと逆転させる謎の力、フシギバースを生み出した。多くの命が救われるように願いを込めて。
・フシギバース!それは大長老がギガンディダノスに与えたレインボーの力。その生と死を併せ持った力は、他の不死樹王国の民にも与えられていった。
・不死樹王国は、鬼札覇王連合では最も新しい王国。死の力を求めるものと、生の力を求めるもの、本来相反する二つの意志を持つものたちによる王国だ。
かつて鬼札覇王連合とは4つの王国であった。そして大長老が新たなキングとなったことで、不死樹王国が5つ目の王国として加わったのだ!!
・鬼札覇王連合の支配下には、不死樹王国の他にもまだ3つの王国がある。それらはいずれも、かつて鬼札王国と戦って敗れた後、鬼札によって強化された王国である。
・鬼札覇王連合がどのような目的で侵攻してきたかはだれも知らない。だが、確かなのは、まだ見ぬ3つの王国が控えているということだ!
・ジャオウガは鬼札王国の覇王であるだけでない。龍頭星雲の向こう側からやってきたからか、滅びたはずのドラゴンを復活させる力を持っているのだ。
・ドラゴンは滅びたのではなかったのか!? なぜデモニオたちは、ドラゴンとともに攻めてきているのだ……? — 燦燦-ザサン
・圧倒的な力を誇示して自然文明のお姫様をさらった鬼札王国は、残りのマスターたちへも攻撃の手をのばすのだった。
・キングとは、各チームや王国における最強のリーダーであり英雄である。そして、超獣世界の命運を左右する十人のキングたちの戦い……それが十王篇なのである!



今ここに、十王篇の戦いの火ぶたは切って落とされた……
鬼札による侵略を完遂しようとする5つの「王国」と、世界を守ろうとする4つの「チーム」、そしてまだ見ぬ第十の王による最も激しくそして熱かりし戦いが!!!
突如始まったデモニオによる侵攻……
それがのちの世に「十王大戦」と呼ばれる戦いの始まりであることはまだ、誰も知らない。
第2章
爆皇×爆誕
ダイナボルト!!!
チームウェイブのキングに緊急の報告が届いた。
スーパーコンピュータの一つである歓楽のタギャースツが何者かによってハッキングされ、「Instant Wave」が消滅の危機に瀕しているというのだ。
「Instant Wave」は知識のノギューゾ、電脳のデガーノル、歓楽のタギャースツという3つのスーパーコンピュータの多数決による合議制によって運営されており、セキュリティも完璧と思われていたが、1つから他の2つにアクセスできてしまう点が仇となり、ハッキングの対象として狙われたのだ。歓楽のタギャースツを掌握した何者かは、続けて電脳のデガーノルにもハッキングをかけ、「Instant Wave」の自律自爆を多数決によって可決させた。
「Instant Wave」が自爆する寸前、チームウェイブのキングが持つ無限の好奇心がレインボーの力と共鳴し、一兆フォロワーのキングマスターであるキング・マニフェストを呼び寄せた!キング・マニフェストはチームウェイブのほぼ全員がフォローしているほどのカリスマ。だが、彼はあるがままに生きているだけ。そう、彼の存在自体がキングであり、彼の言葉はそれがそのまま「Instant Wave」のルール、すなわちマニフェストとなるのだ!!!
キング・マニフェストの「我がジャストアイデアをステートメントする!」というかけ声とともに、一兆フォロワーが一斉にバズを連打する。その圧倒的なエモによって「Instant Wave」へのハッキングは解除され、どうにか自爆は免れたのだった。キング・マニフェストはハッキング元を逆探知しようとしたが、すんでのところで逃げられてしまった。かろうじて残された手がかりは、タギャースツのプログラムに痕跡として残された「美」の一文字。一体何者の仕業なのか……?

"魔神轟怒"ブランドは、フライパン・マウンテンでドラゴンが卵から目覚めるという夢を見た。本人は一笑に付したが、ハエタタ・チュリスが「それ、絶対にやべーやつッスよ!」と熱心に主張するので、根負けした"魔神轟怒"ブランドが結局調査に向かうこととなった。
"魔神轟怒"ブランドがフライパン・マウンテンの火口から掘り起こしたドラゴンの卵は、叩いても温めても孵る気配がなかった。一向に目覚める気配のない卵を前にどうしたものかとチームボンバーのキングが思案していると、暴拳王国のキングマスターを名乗る者がたった一人で攻めてきたという知らせがビートに乗って届いた。
鬼札覇王連合には鬼札王国と不死樹王国の他にも3つの王国がある。暴拳王国は、嘘や曲がったことが嫌いで正々堂々と勝負して強い方に従うべきと考える、いわば武人のようなキングマスターが治めている。暴拳王国のキングマスターは、チームボンバーのキングが真っ向勝負を求める熱き戦士だという噂を聞き、正々堂々と叩き潰すために単身で乗り込んできたのだ。
暴拳王国のキングマスターの圧倒的な力を前に"魔神轟怒"ブランドですら手も足も出ず、チームボンバーのメンバーは一人、また一人と地面に倒れていく。そしてそれを見たチームボンバーのキングが怒りによる闘志に心を燃やした瞬間、ドラゴンの卵とレインボーの力が共鳴を始めた。暴拳王国のキングマスターは
「ジャオウガ様に捧げるため、貴様らの一番大切なものを奪わせてもらう!」
と言い放つと、共鳴を始めたドラゴンの卵に対して拳による鋭い一撃を放った。暴拳王国のキングマスターの拳が卵に突き刺さったその瞬間、殻が割れて中からすさまじい速度のドラゴンが飛び出した!チームボンバーのキングマスター、ダイナボルトが爆誕したのだ!!
チームボンバーのキングマスターである爆龍皇 ダイナボルトは、活火山をも超える膨大なエネルギーを出力に変え、猛スピードで空を駆ける、マジを超えたマジ、ボンバーを超えたボンバーなドラゴンなのだ!!!残像が残るほどの速さで宙を駆けたダイナボルトが高速機動から放った渾身の一撃は、暴拳王国のキングマスターの身体に深々と突き刺さった。ダイナボルトの強烈な攻撃を食らった暴拳王国のキングマスターは、少し顔をしかめつつも、
「ふむ……まだ足りぬか……」
という意味深な言葉を残したかと思うと、次の瞬間には目の前から消えていた。ともあれ、ダイナボルトの勝利によってチームボンバーは守られたのだ。

チームボンバーに暴拳王国のキングマスターが単独で乗り込み、またチームウェイブにハッキング攻撃が行われていたのと時を同じくして、チーム銀河にも謎の襲撃者たちによる攻撃が行われていた。鍛え抜かれた戦士たちが、どこからともなく攻撃を受けて次々と倒されていったのだ。
謎の襲撃者たちの攻撃によってチーム銀河がピンチに追い込まれたその時、キングの中の類まれなる正義の心がレインボーの力と共鳴し、新たなるキングマスターを誕生させた!
「お前の、名前は……?」
「アイアム・ジャスティス・イフユーウォント」
正義は、いつも君とともにある。たとえば誰かが悲しんでいる時、あるいは絶望が誰かの心を覆いそうになる時……「正義帝」は、いつでもそこに駆けつける。正義が常にみんなの心の中にあるように。
「正義帝」の目覚めとともに、十二神騎が正義のパワーアップを遂げて強烈な光を発生させた。その光が影を次々と消していくと、影の中からは突然の事態に困惑した様子の襲撃者たちが姿を現す。そう、実は襲撃者たちは影に潜んでいたのだ!音を置き去りにするほどの速度で放たれた「正義帝」の正拳突きによって戦力の大半を失った襲撃者たちは、撤退を余儀なくされたのだった。
影に隠れて我らチーム銀河への襲撃を図ったのは、月光王国なる奴ららしいぞ。— 「伝承の語り部」
愚かな。隠れるしか能のない奴らなど、我ら発光の使徒たる十二神騎にとっては恐れるに足りん。 — 「火玉の祈り手」

ライマーたちは自然文明のお姫様をさらう際、痕跡を残していた。それを頼りに、チーム切札のキングは不死樹王国へと乗り込んだ。
シヴァンリンネをイッスン・スモールワールドが、龍樹たちをゴールド・キンタックスが、ジターナイトをオーシャン・ズーラシマがそれぞれ食い止めている隙に、モモキングたちはギガンディダノスのいる玉座の間へと向かった。巨体を誇るシヴァンリンネに対し、気づけばイッスンの身体はそれを上回るほどのサイズへと成長していた。相手が強ければ強いほどイッスンの闘志が燃え上がり、身体も大きくなるのだ。
龍樹が樹木の性質をあわせ持つことに着目したゴールド・キンタックスは、生命を断ち切る破壊の力を持ったフォレスト戦斧を担ぎ、龍樹を次々と根本から切り倒していった。
ジターナイトとオーシャン・ズーラシマとの戦いは、ズーラシマが海から持ち帰った生命の箱を開けたことで決着した。過剰成長を促されたジターナイトが自ら崩壊したのだ。
得意の連撃を浴びせるモモキングだが、ギガンディダノスの身体には傷一つ付けることができない。生と死、2つのエネルギーを併せ持つギガンディダノスに対し、通常の攻撃は一切通用しないのだ。徐々に追い詰められていくモモキング。だが追いついてきたイッスン・スモールワールドが、キンタックスとズーラシマの戦いぶりからヒントを得て窮地を救った。
「モモキング殿、ヤツの死の部分には再生の刃を、生の部分には破壊の刃を、 それぞれ同時に叩き込むのです!」
再生と破壊、2つのエネルギーが込められたモモキングの連撃がギガンディダノスをついに貫き、巨体が地に沈んだ。チーム切札のキングは、大長老様を鬼札王国の支配から解放したのだ。
バカな、あれは2つの属性を持つ連撃を同時に繰り出す不死樹奥義「生死万別」!? チーム切札のキングマスターはどれほどの剣豪だというのか……? — 死積人形ブラッディ








玉座の間を抜けて自然文明のお姫様を奪還せんとするモモキングたちの前に、ジライヤ齋とジャドク丸が立ちはだかる。ジャオウガの側近である2人のコンビネーションを、モモキングは打ち破れるのか!?
ギガンディダノスが敗れたと聞き、自ら出陣しようとするジャオウガ。だが、「ジャオウガ様がわざわざ出陣せずとも、ジライヤ齋とジャドク丸、2人がかりならば楽勝でしょう」とそれを制止したのは、鬼札王国の参謀であるヨミノ晴明だった。それを聞いていたアシガル変怪も、「確かにジャオウガ様はまだ出る時ではないな」と思った。
ジライヤ齋が忍具で、ジャドク丸が毒で、それぞれ遠距離からモモキングを攻め立てる。モモキングはなす術がなく、じわじわと追い込まれていった。モモキングには近距離武器しかないと思ってジャドク丸がとどめを刺そうと不用意に近づいたその時、銀色の輝きが一筋きらめいた!そして次の瞬間にはモモキングが投げた刃が、ジャドク丸の眉間に突き刺さっていた。モモキングはキャンベロが作った不味いきびだんごを毎日食べさせられた結果、毒が効かない身体となっていたのだ!
くっ、ジャドク丸が倒れた今、もはやここまでか……だがモモキング、お前も道連れだ!ジャオウガ様、万歳!! — 「忍」の鬼 ジライヤ齋
ジライヤ齋の自爆はあたり一面を焼き払ったが、モモキング達はOH!ワンダフルのお椀に隠れることでかろうじて難を逃れることができた。そしてそのまま不死樹王国を脱出して、お姫様を自然文明へと送り届けたのだった。
ジライヤ齋とジャドク丸がやられたか……しかし、ジャオウガ様が立ち上がるにはまだまだ時期尚早と言えるな。— コブシ童子


第3章
幻龍×凶襲
ゲンムエンペラー!!!
届かぬのならば いっそ盗んでしまえばいい
(訳:月光王国はチーム銀河に再び侵攻を開始しました。)
「イタイ」という感情の力を月に反射し攻撃する。それがオシオキムーン!
月光王国は負の感情を力に変えるオシオキムーンという能力を持っている。
だが、時には自分から攻めることも必要になるため、そういう場合には書き溜めた詩を公開することで痛みを得てオシオキムーンを発動させるのだ。
君から涙を奪おう 決して過去を振り返ることのないように
(訳:我らがキングマスター、月と破壊と魔王と天使様は、20万年の長きに渡って自らの戦いを詩に残してきたのだ。)
月光王国のキングマスターが20万年にわたる自らの戦いをポエムにした詩集、「ダークヒストリー&ライトストーリー」は、月光王国のクリーチャーたちの手で密かに写本され、彼らの心の支えになっている。
月光王国のクリーチャーたちは「ダークヒストリー&ライトストーリー」を読んで、自分たちでもポエムを書き記すようになった。それ以来、他の王国から孤立していき、なぜかオシオキムーンの威力が上昇するようになったという。
襲来した月光王国を迎撃に向かう十二神騎たち。その中で最も新参である「新時代の福音」が不安そうにしているのを見て、先輩騎士である「伝承の語り部」と「火玉の祈り手」が優しく声をかけた。
「お主のことも我らが守る!心配なぞ不要だ!」
「この戦いが終わったら、一緒にクルトたちが待つ温泉に行こうぜ。約束だ ぞ!」
影を見つめる時 影もまたお前を見つめている
(訳:影の中から月光王国の刺客が次々と現れ、チーム銀河を攻撃していきます。)
月が輝く時 魔王と天使がダンスを踊る
(訳:前回同様、影を消すために光を放つ十二神騎ですが、今回はなぜか影が消えません。)
クソッ、影が消えねぇ!これじゃ月光王国の奴らがどこから来るかわからねーぜ!! — モモダチ モンキッド
十二神騎がいなかったら一瞬で全滅してましたね……。どうにか私たちで影を消す方法を考えましょう! — イッスン・スモールワールド
定めの時は近い 聖者は盃をもって託宣を迎えるのだ
(訳:影の中に潜む敵を追いかけて飛び込んだ世界で、モンキッドとイッスンは見ました。外の世界で月光王国のキングマスターがいる位置に、シルエットだけが佇んでいるのを。)
月は月に 影は影に(訳:月光王国のキングマスター、月と破壊と魔王と天使は影の中にも存在しています。倒すためには、影の中のシルエットも同時に攻撃しなければならないのです。)
魔王と天使、それは運命の双子 影と光、それも運命の双子
(訳:魔王と天使、両方の力を同時に持つキングマスター様の前では、影と光は常に消えることがないのです。)
夜は孤独を連れてくるだろう 寂しげな月に心奪われたのは誰だったのか
(訳:月と破壊と魔王と天使の砲撃は十二神騎を半壊させました。いよいよ「正義帝」が出撃します。)
愛は悲しみ 憎しみは喜び
(訳:「正義帝」が攻撃を繰り返しますが、ダメージとならず、ただただ月光王国のキングマスターからは悲しみの波動が伝わってきます。)
この世の儚さを消し続けよう いつか誰かに討たれる時まで
(訳:「君は、本当はこんなことをしたくはないんじゃないのか!」と「正義帝」が攻撃の手を止め月光王国のキングマスターに問いかけます。ですが、愛する心をジャオウガに奪われてしまっている以上、その言葉が届くことは決してないのです。)
近づくほどに傷つける 自分が傷つくのが怖いから
(訳:迷いながらも放った「正義帝」の必殺の拳がついに月光王国のキングマスターにダメージを与えます。しかしその瞬間、オシオキムーンが発動して「正義帝」の拳がそのまま自身に跳ね返ってきたのでした。)
キミが正義を求めるなら悪になろう キミが悪を求めるなら正義になろう
(訳:月と破壊と魔王と天使への攻撃は、オシオキムーンによって「正義帝」自身へと跳ね返ってしまうのです。)
「正義帝」が跳ね返ってきた己の拳に胸を貫かれる寸前、影をも呑み込む無限の闇が辺りに広がり、拳も闇に呑まれて消えた。すると月光王国のキングマスターが突如として闇に向かって砲撃を放つ。その先から、ゲンムエンペラーがぬるりと姿を現したのだった。ゲンムエンペラーが「夢幻の無」に影を呑み込ませ始めると、月光王国のキングマスターは一際大きな影に入り、そのまま影ごといずこかに消えた。脅威が撤退したことを察知したか、ゲンムエンペラーは「夢幻の無」を消してチームウェイブの方角へと飛び去っていった。
闇の歴史と光の物語の語られぬ過去
(訳:むかしむかし、あるところに気まぐれに天使を助けた魔王がいました。天使は礼を言って去りましたが、その後しばらくして、魔王は勇者に滅ぼされそうになりました。天使はかつて助けてくれたお礼に、自らの身を捧げることで、魔王と一体化して彼を助けたのでした。)
・月光王国のキングマスター、月と破壊と魔王と天使は、厳格さと慈悲深さとを兼ね備えた優れた王だった。しかしジャオウガに愛を奪われた結果、魔王と天使のバランスが崩れ、心に哀しみを抱きながら砲撃をするという矛盾した行動をとるようになってしまった。
・月光王国のクリーチャーたちは、自ら見出した真実の名前を相手に告げることで自分たちの力が強化されると信じているし、実際に強化されている。その理由は定かではない。
我が名はワルツ(訳:月光王国では、強き名には強き力が宿るのです。)
孤独の冥(訳:彼に触れた者はみんないなくなりました。)
・月光王国のクリーチャーたちは、影と光の世界を行き来して暮らしている。影の中の世界はモノクロだが、光の世界からの月の光だけが届いている。月こそ、彼らの力の源なのだ。影を消せるのは、光のみ。
・チーム銀河も月光王国も自らの名に誇りを持っている。だが、チーム銀河のクリーチャーたちはキングから与えられた称号を名乗るのに対し、月光王国のクリーチャーたちは思索の果てに自らたどり着いた真実の名前を名乗るという点で違いがある。
・月光王国のクリーチャーたちはキングマスターの詩集にあるように、戦いの中で格好よく死ぬと異世界に転生して幸せになれると信じている。だからこそ、死を恐れずに戦い続けられるのだ。
・月光王国では満月の夜に、夜想曲(ノクターン)にのせてポエムを披露しあう。




さぁさぁ、早速ですが本日のラストシーン!
ハッキングに失敗したメテヲシャワァ様ですが、Instant Waveを今度こそ完全に消滅させるべく、スーパーコンピューターめがけて空から飛来しますぞ!
さぁ、着弾まで、あと600秒。
美孔麗王国は一瞬のトキメキや散り際の儚さを美徳と考える王国であり、反対に映像や記録のような後に残るものを嫌悪している。全てが一瞬。全てがショー。それが美孔麗王国だ。刹那の美を愛する美孔麗王国では、劇伴音楽は四小節ごとに曲調が変わるし、劇の宣伝もすべてサブリミナル効果を利用して行われる。美孔麗王国の手にかかれば、古の伝承すらも彼らのテーマである「過激な歌劇」の演目に塗り替えられてしまう。
美孔麗王国の劇は、突然「祝え、この物語の終幕を!」のセリフとともに降臨したメテヲシャワァが世界を滅亡させ、観客がそれを拍手喝采で迎えて終わる。「過激な歌劇」を旨とする美孔麗王国では、上演する劇のタイトルが同じでも内容は毎日変わる。メテヲシャワァがその日いつ降臨するのかは毎回アドリブであり、第一幕のダンスシーンで降臨することも起こりうるのだ。
Instant Waveに「祝え、この物語の終幕を!」という謎の書き込みがあった。気になったコンプライーグルが発信元を解析すると、美孔麗王国のキングマスターがチームウェイブに向けて飛来中であり、599秒後に着弾することが判明したのだった。
メテヲシャワァが着弾するという情報を受けて、チームウェイブのInstant Wave内では「世界消滅の瞬間にみんなでジャンプしようぜwww」と題された実況生放送が始まり、空前の大盛り上がりを見せていた。
着弾まで、あと450秒。我はメテヲシャワァのフィックスをASAPでオミットしなければならぬ!そもそも、このままではお前たちもリジェクトされてしまうぞ!? — キング・マニフェスト
それこそ本望。我ら一瞬の輝きに命をかける者ゆえ。 — 混沌紳士 トリックスタァ
馬鹿な!美孔麗王国のキングマスターが自らチームウェイブのスーパーコンピューターに激突しようとしているだと!? — モモダチ ケントナーク
あの質量がぶつかったら、スーパーコンピューターが破壊されるだけじゃすまないぞ!どうにかしてあと400秒以内に食い止めるしかない!! — ゴールド・キンタックス
トリックスタァの相手は救援に来てくれたケントナークとキンタックスに任せ、マニフェストは着弾地点に向けて全速力で走る。だが、驚言廻し コミックリリヰフのすべらない話とオシヤバミの誘い笑いに驚かされ、まんまと時間を取られてしまう。着弾まで、あと300秒。
着弾地点まであと一歩のところまで迫ったマニフェスト。だが、そこには絶対悪役 ヴィランヒヰルが待ち受けていた。「邪魔をするなだと?悪役が邪魔をするのなんて、当然じゃあないか」流星が降る最中、激闘を開始する二人。着弾まで、あと150秒。
ヴィランヒヰルを倒したマニフェスト。そしてついに「祝え、この物語の終幕を!」のセリフとともにメテヲシャワァが目の前にまで迫る。マニフェストはタキオン回線の速度で着弾地点に向かいバズレンダのバリアで受け止めようとするが、ここまでの激闘でバズを使い果たしており、勢いを殺しきれない。着弾まで、あと1秒。
メテヲシャワァが着弾する刹那、無限の闇が一瞬にしてあたりに広がった。かと思えば、次の瞬間には黒い翼のドラゴン、ゲンムエンペラーが降臨し、燃え盛る巨大な火の玉と化したメテヲシャワァを受け止めたのだった。ゲンムエンペラーに受け止められたメテヲシャワァは、突如として巨大なオーロラとなって世界を覆った。「本日の公演は以上となります。皆さんお気をつけてお帰りください」とのアナウンスがどこからともなく流れ、場内の清掃が始まった。ゲンムエンペラーは、コミットできていないキング・マニフェストを一瞥すらすることなく、チームボンバーの方角へと飛び去っていった。その後、マニフェストが投稿した謎のオーロラの写真は2兆バズを獲得し、Instant Wave内での最高記録として語り継がれることとなった。
・ビビッドな刹那に生まれるきらめきのパワー、それがビビッドローなのだ!
・ビビッドローとは!美孔麗王国のクリーチャーたちが今しかない一瞬をこれ以上なくビビッドに演出した時に生まれるパワーを使い、本来の出番より早く登場できるようになる能力である!!
・ビビッドローは、美を刹那のうちに表現することで発動する!ゆえに、一瞬一瞬の演技を極めた役者にのみ可能な絶技なのだ!!
・チームウェイブも美孔麗王国も、感動を愛するという点では変わりはない。ただチームウェイブは感動の記録をネットワークで共有しようとするのに対し、美孔麗王国はその瞬間の感動をその場で共有しようとする点で違いがある。
・メテヲシャワァは、人々の美に対する憧れがイデア・フェニックスの不死の力と混ざり、永遠の美となった存在である。だがジャオウガに敗れ美学を失ったことで、刹那の美を永遠に求め続けることになり、真のエンディングを迎えられなくなってしまった。
・劇中でメテヲシャワァがいつ落ちてくるのかはメテヲシャワァが感動したタイミングによる。しかし、感動するポイントは日々異なっているので裏方にも予測不可能だ。たとえ準備の最中でも、際立った仕事ぶりを見せてしまうとメテヲシャワァが感極まって落ちてくることがあるので、上演前でも裏方は気を抜けない。
・美孔麗王国の劇のジャンルは多岐にわたる。アクション、SF、ラブロマンス、ホラー、etc.……だが、いずれにせよどこかのタイミングでメテヲシャワァが落ちてきて唐突に劇が終わることに変わりはないのだ。
・メテヲシャワァが落ちると、空には綺麗なオーロラがかかる。それは、メテヲシャワァから観客と出演者、そして世界に美が存在することへの感謝のカーテンコールを表しているのだ。
・メテヲシャワァが落ちてきた後にできるオーロラは、それまでの物語が素晴らしければ素晴らしいほど美しくなる。チームウェイブとの戦いで生まれたオーロラが2兆バズを獲得したのは、それほどの激闘だったということだ。
・メテヲシャワァのオーロラが出るとどこからともなく「よっ!メテヲ屋!」という掛け声があがるのだが、新規が勝手に掛け声を出すと古参ファンに怒られるらしい。
・美孔麗王国の劇の非公式記録は、WaveCariで高値で取引されている。
・美孔麗王国の劇では、プロタゴニスト、ファムファタァル、アルレキヰノ、ヴィランヒヰル、トリックスタァ、コミックリリヰフの6人のメインキャストがマクガフィンの設定に従って毎回様々な芝居を行っている。だが、かつては、重要な役を任されていたもう一人のメインキャストがいた。
・美孔麗王国のクリーチャーたちは、ジャオウガに美学を奪われたことで、刹那的なものしか美しいと感じられなくなってしまったのだ。
・美孔麗王国の劇には、出演者だけでなく当然裏方も存在する。彼らもまたメテヲシャワァの劇に魅せられたファンだが、メテヲシャワァが落ちた後の清掃が毎回重労働なので、「夢は仕事にするもんじゃない」とボヤいているという。




暴拳王国のキングマスターであるゴリオ・ブゴリは、ダイナボルトの強さを認めている。むしろ、過去の彼ならば勝敗を超えたライバルとして友情をはぐくんでいただろう。だが、今は誇りを取り戻すために絶対に勝たなければいけない だけの相手なのだ。
暴拳王国では強さがすべてであり、日々試合が行われ勝敗に応じてランキングが変動する。そしてキングマスターである剛力羅王 ゴリオ・ブゴリは、5万年連続で不動の1位であり続けた生粋のチャンピオンなのだ。
我々は、戦い続け、勝ち続けることでジャオウガに奪われた誇りを取り戻さなければならぬのだ! — 魔軸の鎖 カメカメン
暴拳王国のクリーチャーたちは、鎖を通じて力を仲間から受け取れるので、数が多ければ多いほど強くなる。前回は単身乗り込んできたゴリオ・ブゴリだったが、今回は仲間を大量に引き連れた本気モードなのだ。
暴拳王国の襲来に対し、"KNG"メガヒットはゲリラライブを敢行することでマジでボンバーなノリを高めて対抗した。仲間の力で強くなるのは、アバレチェーンだけではないのだ。
ゴリオ・ブゴリによる大量のアバレチェーンが乗った一撃が、チームボンバーに対して放たれる。その一撃はU・S・Aたち100体を一気に吹っ飛ばした。
ダイナボルトの超高速機動からの急襲に対し、ゴリオ・ブゴリは大量のアバレチェーンが乗った一撃を放つ。それを間一髪でかわしたかに見えたダイナボルトだったが、気づけばその身体には、痛々しい鎖の跡が刻まれていた。
なんで!? ダイナボルトは鎖をよけたはず! — モモダチ キャンベロ
いや、見えなかったのかキャンベロ。あいつの鎖は……2度来る!! — オーシャン・ズーラシマ
ダイナボルトはマジでボンバーな連撃を放つが、ゴリオ・ブゴリの分厚い鎖によって阻まれる。ゴリオ・ブゴリの攻撃は、鎖が2度来ることを見切ったダイナボルトがすべてかわし続ける。戦況は拮抗し、攻防が永遠に続くかのように思われた。
最初の一合で生まれた傷を庇って、ダイナボルトの動きが乱れた。その隙に、ゴリオ・ブゴリは容赦なく全アバレチェーンが乗った鎖を叩き込む。だが、そこに突如として割って入った存在があった。その名は、ゲンムエンペラー!!
ゲンムエンペラーが生み出した「夢幻の無」に、暴拳王国のクリーチャーたちは次々と呑み込まれていく。
そんな中でゴリオ・ブゴリが筋肉の力で踏みとどまると、漆黒の龍はそれ以上何かをしようとはせず、興味を失ったようにチーム切札の方角へと飛び去っていった。
邪魔が入ったな、ダイナボルトよ。そちらもその傷ではこれ以上戦えまい。仕切り直しだ、次に会う時は死力を尽くして戦わせてもらう。 — 剛力羅王 ゴリオ・ブゴリ
・暴拳王国もチームボンバーも仲間の力を結集させて戦うという点では共通している。だが、鍛錬に鍛錬を重ねた暴拳王国に対し、チームボンバーはわざわざ鍛えたりするようなことは不要と断じて、生まれ持った男気だけで戦おうとするという違いがある。
・アバレチェーンとは、精神統一のエネルギー!勝利という一つの目的に向けて暴拳王国のクリーチャーたちの精神が統一された時、連帯するための鎖が生まれ、その鎖を通じて仲間に力を預けることができるのだ!!
・ゴリオ・ブゴリは持って生まれた才能だけで誰にも負けなかったため、努力をしてこなかった。しかし、先代のキングマスターであるサイノ・ブサイを倒した際、「これからはお前が国を背負う柱になりなサイ」と言われ、それからは国民の模範として強き王たる姿を見せられるよう、努力を怠らない最高の王になったのだ。
・ゴリオ・ブゴリはキングマスターになったのち、誰にも負けることのない実力を身につけるため、一日に数えきれないほどの回数の正拳突きで己を鍛え続けた。そして気づけばいつしかその正拳は、実体を持った残像を生み出した。
・「ゴリオ・ブゴリの鎖は2度来る」とは、彼と対峙した者が敗北の後に必ず残す言葉である。実体を持った残像を生み出すほどの拳の速度が、物理現象の限界を超えた鎖の連撃を可能にしたのだ。
・アバレチェーンの力に目覚めるためには、鎖を己自身の一部であるかのように自由自在に使いこなせるようになる必要がある。そのために彼らは、鎖に四六時中触れたり、匂いをかいだりして、鎖を身体の一部として感じるために日々鎖との対話を重ねているのだ。
・暴拳王国のクリーチャーたちは、日常生活におけるあらゆる行動をトレーニングに置き換えている。例えば、レストランでは椅子や食器に至るまで全てが並々ならぬ重さで作られているため、食事に来ても、働いていてもトレーニングを続けることができるのだ。
・暴拳王国では、設置した家の重力を10倍にできる家電が流行っているらしい。
・鎖は筋肉の延長!鍛え抜かれたゴリオ・ブゴリの鎖は、ダイヤの硬さを超えている!
・暴拳王国のクリーチャーたちは、ゴリオ・ブゴリに挑戦するためにランキング戦で切磋琢磨している。ランキングは強さに応じてビギナー・ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナという5つのクラスに分かれており、各ランク帯で5連勝すると順位に関係なく昇格戦が発生するシステムを採用している。
・暴拳王国のランキング戦は基本的にはバーリ・トゥード(なんでもあり)で行われる。しかし、唯一の例外として、他人の精神を汚すような行為は、ゴリオ・ブゴリの名のもとに禁止されている。
・暴拳王国はジャオウガに敗れて誇りを失った結果、勝利にしか意義を見出せなくなった。今は鬼札覇王連合の一部として鬼札王国に従いつつも、勝ち続けることで強さを証明し、最後はジャオウガと再び戦って奪われた誇りを取り戻さなければならないと考えている。




ジャオウガ様が立ち上がるにはまだ早いかと。我らにお任せください。
—「疾風」の鬼 フウジン天
必ずやモモキングとやら、コロリと討ち果たしてご覧に入れましょう。
—「迅雷」の鬼 ライジン天
チームボンバーと暴拳王国の交戦を聞き、救援に立ち上がるモモキング。だが、同時にチーム銀河とチームウェイブも襲撃されていた!モモダチとズーラシマたちを3組に分け、仲間の救援に向かわせたモモキング。しかし、そこに鬼札王国からフウジン天が攻めてきた。そう、戦力の分散こそが鬼札覇王連合の狙いだったのだ!一人で攻めてきたフウジン天の風圧攻撃に苦戦するモモキング。しかしそこに「我こそは北風の使者!」と名乗りをあげた者がいた!彼の名はA!キタカゼマンAだ!!
キタカゼマンAの吹かせる冷たい風によりフウジン天の風圧攻撃は相殺されたが、フウジン天には体の周囲にまとわせた風の衣がまだあるのだ!なんとこの衣、熱風以外のあらゆる攻撃が通用しない!
オレの風の衣を脱がせたいってんなら、もっと熱い風を用意しな! —「疾風」の鬼 フウジン天
フウジン天の風の衣を脱がせるべく、「我こそは太陽の子!人は呼ぶ、灼熱の使者と!」と名乗りをあげた者がいた!彼の名はA!バークアステカAだ!!キタカゼマンAとバークアステカAの熱風攻撃のあまりの暑さに、フウジン天は風の衣をたまらず脱衣!しかし途端に雷雲が空を覆い始めた。フウジン天が
「来い、ライジン天!」
と雷雲に吠える。すると稲光りとともに空が割れ、ライジン天が出現!「疾風」「迅雷」コンビの攻撃がチーム切札を襲う!百鬼夜城には「鬼エンド」の力が込められた秘伝の鬼具、邪王門が存在する。フウジン天の危機を察知したライジン天は、邪王門を通って一瞬で駆けつけたのだった。
鬼札王国の「鬼タイム」を超える幻の秘伝、それが「鬼エンド」!「鬼タイム」を超えて極限状態となった時、魔力を使わず発動させられるのだ!
ワシとフウジン天のコンビネーションを見よ!これにかけては、鬼札王国でも右に出る者はおらぬ!! —「迅雷」の鬼 ライジン天
「疾風」と「迅雷」の波状攻撃にはキタカゼマンAとバークアステカAの熱風では太刀打ちできない!さらにモモキングも風で視界を封じられた状態で刀を通じてライジン天の雷撃を浴びてしまい、行動不能に!もはや絶体絶命だ!モモキングが敗北を覚悟したその時、世界は唐突に無限の闇に包まれた。星も光もない、一面の漆黒。その漆黒がひび割れていき、まるで闇そのものと見紛うばかりに黒い翼が広げられた。無限の闇から生まれしその龍の名は、ゲンムエンペラー。
ゲンムエンペラーがまずフウジン天の方を見ると、その後ろに闇に満ちた空間、「夢幻の無」が生まれた。フウジン天は何かを言いかけるも、その空間に飲み込まれ、二度と還ってくることはなかった。相棒を失ったライジン天は激昂し、ゲンムエンペラーに雷撃を放った。しかし無限の龍に傷一つ付けることはできず、お返しとばかりに放たれた漆黒の翼の一撃によってライジン天は消し飛ばされたのだった。
ゲンムエンペラーは残っていた小型デモニオたちを「夢幻の無」に封じると、モモキングを意味深に一瞥し、龍頭星雲の方角へと飛び去っていった。モモキングは、突然の助っ人に感謝するとともに、仲間を守る力を身につけるべく、新たな修行を開始した。
フウジン天とライジン天が敗れたとの報告は、いよいよジャオウガを本気にさせた。ジャオウガが、鬼ヶ覇王が、ついに立ち上がる時が来た!!
いよいよジャオウガ様が立ち上がられるガシャ!我々もウカウカしてられないガシャ! —「魂狩」の鬼 ガシャド髑髏
それぞれの戦いから帰還し、まだまだ力不足であることを実感したモモキングとモモダチは、ジャオウガとの戦いに備えてさらに仲間同士の絆を深めるべく、山に籠もって修行をすることにした。





宇宙の果てから生まれた夢幻にして極限の存在、それがゲンムエンペラーだ。
・ゲンムエンペラーは十番目の王だと思われているが、実は宇宙より先に存在していた無限の闇を統べる幻の零番目の王なのだ。
・チーム零のメンバーは、無限の闇に幻として存在するゲンムエンペラーに刺さるムゲンボルトを回して現実につなぎとめる。このようにムゲンボルトを回す儀式のことをムゲンクライムと呼ぶのだ。
・「正義帝」VS魔王と天使、マニフェストVSメテヲシャワァ、ダイナボルトVSゴリオ・ブゴリ。ゲンムエンペラーは3つの戦いへと順番に凶襲していった。
・モモキングを助けた!? 笑わせるな!我らがゲンムエンペラー様が鬼たちを倒した時に、たまたまモモキングが戦っていただけだ!勝手に話を組み替えるな、ブロックじゃねーんだから!! — 戯具 ザンブロク
・チーム銀河を救った?そんなわけねーだろ!ゲンムエンペラー様はただ己の敵を起き上がり際に倒しただけだっつーの! — 戯具 ザンボロン
・チームウェイブを助けた!?バカ言うなよ、我らがゲンムエンペラー様はただ目の前に落ちてきた美孔麗王国のキングマスターを受け止めただけだ!けん玉のようにな!! — 戯具 ドゥゲンダ
・チーム零のクリーチャーたちは、様々な個性を持っている。だが、ゲンムエンペラーの強さに惹かれて集まっているという点だけは、全員変わらないのだ。
・ゼロ・ドラゴンとは、途方もない数のゼロが積み重なった存在。そしてゼロを無限に積み重ねた先に、ゲンムエンペラーが誕生したのだ。
・チーム零のキングは、仲間を求めてはいない。だが他方で、チーム零のメンバーにとってはその孤高さこそがついていく理由にもなっているのだ。
・ムゲンクライムとは、無限の闇の中にいるクリーチャーを実体化させるための儀式なのだ!
・「夢幻の無」に呑み込まれた者は、どこにもたどり着くことができず、時空の狭間を永遠に彷徨い続けることになるのだ。
・チーム零はゲンムエンペラーが喋らない分、戯具たちがよく喋るのだ。
・ゲンムエンペラーは喋らない。無限の力を持っているが、口数はゼロなのだ。
・強力なクリーチャーであればあるほど、現実に繋ぎとめるためにはムゲンボルトのエネルギーが大量に必要となる。それに応じて、ムゲンクライムの儀式に必要なクリーチャーの数も増えていくのだ。
・無限の闇の中で闇と同化しているクリーチャーは実体化していない。それを、この世界に引っ張り出し固定するのがムゲンボルトなのだ。
積み上げた数の足らぬ者は、ゲンムエンペラーの一睨みで動けなくなってしまう。
・善悪を問わず強い者と戦うことが目的のゲンムエンペラーが、強者であるはずのモモキングを一瞥したのみで飛び去ったのは、モモキングのさらなる成長を見越してのことだったのかもしれない。
・チーム銀河対月光王国、チームウェイブ対美孔麗王国、チームボンバー対暴拳王国……いずれの戦いも凶襲しつつも、キングマスターには興味を示さなかったゲンムエンペラーだが、唯一モモキングに対してだけは視線を向けていた。はたして、何らかの因縁があるのだろうか……?
・チーム零のキングマスター、ゲンムエンペラーは無限の闇に包まれた宇宙の果てから生まれた無限の龍であり、弱き者を飲み込む「夢幻の無」を操る。
・チーム零のキングとゲンムエンペラーの目的は、今のところより強い者と戦いたいという部分にある。それゆえに、ジャオウガと戦うべく鬼札王国へと向かったのだ。
・無限の闇から乗り物型の罪無を各々ムゲンクライムし、誰が一番早いか競うという遊びが戯具の中で流行っている。




第4章
百王×邪王
鬼レヴォリューション!!!
「その程度か。ジャオウガ様と戦うには一万年早いな」
ジャオウガと戦うべく鬼札王国に乗り込んだゲンムエンペラーの前に、鬼エンドの力を解放したアンヤク夜叉が立ちはだかる。ゲンムエンペラーが夢幻の無を何度も生み出すも、鬼エンドの力で無効化するアンヤク夜叉。
アンヤク夜叉が無効化した夢幻の無はおとりだった。ゲンムエンペラーはその隙に、自分の目の前へとさらなる夢幻の無を生み出すと、その中に自ら飛び込んだのだ。そして次の瞬間、背後から現れたゲンムエンペラーの一撃を無防備な状態で受けたアンヤク夜叉は、再起不能に追い込まれてしまった。
アンヤク夜叉を倒し、ジャオウガのもとへたどり着いたゲンムエンペラー。ジャオウガに動く隙も与えず漆黒の翼の一撃を食らわせる!だがジャオウガは
「貴様ごとき、このままで十分だ」
と、座ったままの姿勢で足の金棒を使い、難なく翼を受け止めるのだった。座ったままのジャオウガに対し、ゲンムエンペラーは構わず最大級の夢幻の無を上空と地面に展開する。そして2つの夢幻の無を往復することで、自らの身体を加速させ、ジャオウガに強烈な体当たりを食らわせたのだった。これぞ必殺「虚数転生」!ゲンムエンペラーの「虚数転生」は、ジャオウガを本気にさせた。
「なるほど、少しはやるようだな」
そう言うとジャオウガが立ち上がり……その衝撃は、世界を激変させた。立ち上がったジャオウガの衝撃波でゲンムエンペラーは翼を負傷し「虚数転生」を封じられた。やむをえず夢幻の無で死角から攻撃するゲンムエンペラーだったが、ジャオウガはまるで未来が見えているかのような動きで攻撃を読み切り、全く通用しないのだった。
ジャオウガが立ち上がったことで巻き起こった衝撃波は、各地に様々な影響を与えた。

その龍が奪いしは、罪にまみれた愛。
ジャオウガから遣わされたユスティーツァは、罪を収集することを好んだ。それゆえに、魔王と天使の持つ二つの心のうち天使の心にも罪の意識を育てるべく、愛を奪い去ったのだった。
黙示録の時は来たれり
(訳:ユスティーツァに「早く侵略を完了しなければ、大切なモノを取り戻せぬぞ」と釘を刺された魔王と天使は、チーム銀河への総攻撃を決断するのでした。)
月を目指した翼 夢を追い続けるデスティニー
(訳:再び襲来する魔王と天使。しかし影の中の存在をすでに知る「正義帝」は、戦わずに影の世界に飛び込みます。そこで「待って。この人はただ苦しんでいるだけなの」という声を聞くのでした。)
光がある時に 近寄ることなかれ
(訳:影の中にいる天使の話を聞いて、ユスティーツァという龍が月に擬態することで月光王国を支配していると知った「正義帝」は、影の世界の月に向けて攻撃を放ちます。すると月の輪郭が崩れ、女神像のような龍が闇空の中に現れたのでした。)
光は罪 影も罪
(訳:「敵に助けを求めるとは、愚かな」と告げたユスティーツァは、天使に向けて強烈な光を放ちます。その光は罪を感じた者を影に変え、やがては塵と化してしまうのです。)
月に誇る 己の生き様
(訳:ユスティーツァの断罪の光に対し、「正義帝」が光を背に立ちはだかって天使を守ります。「愚かな。誰の心の内にも罪はある。影となるがいい」正義という一つの価値観に固執した罪で、「正義帝」の身体がじわじわと影に侵食されていきます。)
罪すら解体する 天使の慈悲
(訳:影に侵食されていく「正義帝」。ですがそこで天使が告げます。「あなたは私を助けてくれた。優しい人」その言葉を聞いた「正義帝」の身体からは光が溢れ、断罪の光を反射していきます。)
夜に吹く風 その名は何か
(訳:「バカな!罪のない正義などあるはずもない」吠えるユスティーツァに対し、「正義帝」が告げます。「我が名を知っているか?アイアム・ジャスティス・イフユーウォント!ところで、罪は誰の心の内にもある……だったな」)
果たし状を開け 白黒付ける時が来た
(訳:「正義帝」の身体に反射した断罪の光が、ユスティーツァ自身を襲います。「おお、私の罪!私の罪が!!」錯乱するユスティーツァに、「正義帝」がとどめの一撃を放つのでした。)
善悪を超え 元凶を討つ
(訳:「正義帝」は、女神の姿をしたドラゴンに向けて渾身の掌底を放ちました。その一撃は断影龍をその影ごと粉砕し、月光王国をユスティーツァの支配から解き放ったのです。)
縁があればまた会えるだろう 月の加護がありますように
(訳:「正義帝」の手元に残された一冊の本。そこに魔王と天使の真実の名前が書かれているのを見た「正義帝」は、その名前に心の中でルビを振り、満足げに微笑むのでした。)
月光王国との戦いを終えたばかりで油断していた十二神騎を、ジャオウガが発した衝撃波が襲う。十二神騎の全滅を防ぐべく、十一人は力を合わせて楯を作ることで最年少の「新時代の福音」を守り、未来を託した。その代償として他は全員消し飛ばされてしまった。



その龍が奪いしは、勝利の価値。
ジャオウガから遣わされたジークシュトルツは、敗北を嫌う。そして、敗北しないためであれば戦い自体をなかったことにし、相手の勝利する権利すら奪うのだ。
今回はどんな手段を使ってでも勝たせてもらうぞ、ダイナボルトよ!! — 剛力羅王 ゴリオ・ブゴリ
三度目の襲撃に来たゴリオ・ブゴリの指示で、アバレチェーンの鎖が不快にジャラジャラと音を立て始める!金属同士の擦れ合うその音に、耳のいいU・S・Aたちはノイローゼ気味になってしまった!!ダイナボルトは、ゴリオ・ブゴリがU・S・Aをノイローゼにさせるという卑怯な攻撃をしてきたことに疑問を抱いた。そして、暴立の小熊猫が必死に隠す後ろで、ジークシュトルツの鎖が、ゴリオ・ブゴリを操っているのに気がついた。キングマスターの自由意思を奪い、敵にけしかける黒幕。そんな許しがたい存在を見て激情に駆られたダイナボルトは、次の瞬間にはジークシュトルツ目がけて一直線に飛び出していた
。
ジークシュトルツはダイナボルトの接近を察知すると、「戦い自体をなかったこと」にしようとした。その宣言でダイナボルトは戦場からいなくなるはずだった……が、ダイナボルトの速度はあまりにも速すぎた。光速の矢となったダイナボルトは戦いをなかったことにする宣言よりも早く、ジークシュトルツの下顎を拳でかち上げて砕いた。やがて聖板のドラゴンは物言わぬまま倒れ、その瞬間、ゴリオ・ブゴリは我に返ったのだった。
正気を取り戻したゴリオ・ブゴリが言う。
「どうやら、助けられたようだな。感謝はするが、お前との決着はつけなけれ ばならぬ。それこそが我らが誇りになるのだから」
2人のキングマスターが向かい合い、そして次の瞬間、最後の激突が始まった。
U・S・Aたちのマジがダイナボルトのボンバーと共鳴しさらに加速しただと!?これがマジでボンバーってことなのか……負けてられねぇ!俺らもチェーンでアバレるぞ! --呼織の鎖 マチョシビロ
最後の激突の最中、ダイナボルトは思った。これほど強い者が、勝利のためにしか本気になれないことがもったいないと。対して、ゴリオ・ブゴリも思った。勝利のためでなくこれほど本気になれるとしたら、そのモチベーションはどこから来るのかと。
ゴリオ・ブゴリの二重の鎖はかわせない。だから最後の激突でダイナボルトは、かわさずに突進することを選んだ。かわさなければ一回打たれるのも二回打たれるのも関係がない。しかしそれすらゴリオ・ブゴリは読んでいた。強烈なドラミングで鎖を振動させ強固な鎖の壁を生みだしたのだ。勝った。最後の激突でゴリオ・ブゴリはそう確信した。鎖の壁を突破するためのダメージでダイナボルトは倒れる……そのはずだった。だが壁を前にしたダイナボルトは不意に笑みを浮かべると、さらにもう一段階加速したのだ!炎と光を纏ってマジでボンバーに加速したダイナボルトは鎖の壁をぶち破った。しかし攻撃がゴリオ・ブゴリに届く寸前、世界を揺るがす衝撃波が大地を寸断し、ゴリオ・ブゴリは大地の裂け目に姿を消したのだった。



その龍が奪いしは、主役の美学。
ジャオウガから遣わされたプロタゴニストは、自分以外を主役と認めない。そのため、メテヲシャワァから美学を奪い、劇の外から飛来するつまらぬ異物へと貶めたのだった。チームウェイブを滅ぼすことこそ真のエンディングであると信じ込まされたメテヲシャワァ。それがプロタゴニストの嘘だと知らずに美孔麗王国の総戦力とともに再びスーパーコンピューターに向けて雨のごとく飛来するのだった。
再びメテヲシャワァが落下して来ることを知ったマニフェストだが、さすがに2回目ともなれば対策はできている。大地をスクリーンとして、チームウェイブ屈指の面白コンテンツ100時間耐久動画を空に向けて配信したのだ。地上のスクリーンに映し出された動画のあまりの面白さに、美孔麗王国の視線は映像に釘付けとなっていた。マニフェストはその隙を逃さず、メテヲシャワァたちをまとめて捕獲したのだった。
あのような素晴らしいオーロラを作り出せる者が、悪人であるはずがない。そう思ったマニフェストが拘束したメテヲシャワァにチームウェイブ秘蔵の、メテヲがまだ主役だった頃の演劇の映像を見せると、プロタゴニストの支配が解け、正気を取り戻したのだった。
この戦いには、三つのステートメントがあった。まずは、アメージング(美孔麗)のステートメント、これは我々のスーパーコンピューターをゼロベース化するというステートメントだ。そして二つ目は、我々ウェイブのステートメント、これはアメージングへの対抗策を見える化し、この戦いを戦い2.0へと引き上げた。この二つのステートメントは両陣営に深刻なコンフラックスを与えた。だからこそ、ここで最後のステートメントをステートメントしよう!アメージングウェイブステートメント!我々はお互いに驚きを与え心を揺らしあう未来志向のリレーションシップを築くことをここにステートメントし、約束する!! — キング・マニフェスト
メテヲシャワァが無力化されたことを知ったプロタゴニストは、チームウェイブを滅ぼすべく自ら乗り込んできた。だが、メテヲシャワァの攻撃はプロタゴニストにきかない。「無駄だ。我は主役。都合の悪いエンディングは、スケプティックによって吹き飛ばされることになっている」と語るのだった。プロタゴニストへの攻撃もスケプティックへの攻撃も都合の悪いエンディングとして吹き飛ばされてしまう。メテヲシャワァたちのたどり着いた答え、それは、二人の動きをシンクロさせ、どちらも同時に倒すことだった。
動画を見たメテヲシャワァには、永遠の美に対する理解が生まれていた。オーロラを見たマニフェストには、一瞬の美に対する理解が生まれていた。互いへの理解が、二人のシンクロ攻撃を可能にした。マニフェストとメテヲシャワァによるなんかすごい二点同時シンクロ攻撃は、主役の概念を塗り替え、プロタゴニストとスケプティックを倒したのだった。
チームウェイブに和平を申し入れたメテヲシャワァは、マニフェストとのW主演としてついにエンディングまで劇を演じ通した。それは歴代でも最高人気の公演となり、劇の映像はInstant Waveで百兆バズを記録しようとした……だがその瞬間、ジャオウガの衝撃波が襲ったのだった。



立ち上がったジャオウガはゲンムエンペラーを圧倒する。
ついにジャオウガがゲンムエンペラーに対してとどめのかかと落としを放とうとしたその瞬間、疾風のごとき剣閃が間に割って入った。
修行を終え、さらなる力を手に入れたモモキングが助けにやってきたのだ!
モモキングがゲンムエンペラー様を助けた!?んなわけあるか!ちょうど逆転する所だったのをモモキングが邪魔したんじゃい!そんな細かいこと言うとらんで、見とけ、今、バシィ!と決めてくれるところじゃい!! — 戯具 ドゥメンゴ
ゲンムエンペラーを助けたモモキングは、ジャオウガと対峙する。
「修行の成果、今こそ見せる時!」
そう叫ぶや否や、モモキングの身体が金色の光に包まれていく!
「行くぞ、キリフダReVo!」
モモキングが編み出したさらなる必殺技。その名もキリフダReVo(レヴォリューション)!キリフダッシュによって生まれた爆発的なエネルギーで時の流れに革命を起こし、「時間」という概念を打ち破ることができるのだ!!
バカな!未来が見えるはずのジャオウガ様が、なぜ攻撃を避けられない……!?
— ネブダシ入道
まさか、革命された時の流れは誰にも読むことができないんすか!?— コオニ童子
モモキングの一撃がジャオウガをとらえ、ついにジャオウガは倒れた。だがどこからともなく禍々しい瘴気を放つ槍が現れ、ジャオウガの身体に突き刺さった!禍々しい瘴気を放つ槍が刺さるとジャオウガが蘇り、こう告げるのだった!
「これは一王二命三眼槍。一人の王にのみ仕え、破壊する王に二たび命を授 け、三つの眼で世界の過去、現在、そして滅亡する未来を見届ける槍だ」
一王二命三眼槍を手にしたジャオウガの攻撃は、モモキングとゲンムエンペラーの二人がかりでも凌ぐのがやっとだった。鬼エンドで数秒先の未来が見えるジャオウガ自身の能力に加え、命を増やし続ける槍の能力が組み合わさり、まさしく最強の王と呼ぶに相応しい強さを見せつけていた。一王二命三眼槍を手にしたジャオウガを前にゲンムエンペラーが倒れ、モモキングも追い詰められた。そしてジャオウガは、さらなる絶望を与えるために、モモキングから奪うものを宣言するのだった。
モモキングよ、今こそお前の一番大切なものを奪ってやるぞ!この世界そのものだ!!— 鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ
一王二命三眼槍を手にしたジャオウガがとどめを刺そうとした瞬間、モモキングの腰のきびだんごが金色に光り輝き、モモダチ、いやスパダチ3人が登場した!3倍で繰り出されるキリフダReVoの前には、さすがのジャオウガも一時撤退をせざるをえなかった。修行によってキャンベロ、モンキッド、ケントナークもキリフダReVoを会得し、時の流れに革命を起こせるようになった!モモキングとのコンビネーションで、威力はさらに倍増……3倍……いや、百倍だ!!
モモキング!我が居城、獄鬼夜城にて貴様にとどめを刺すのにふさわしい舞台を用意して待つ!ジャハハハハ!! — 鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ
ジャオウガは鬼札覇王連合に所属する王国を監視するため、それぞれの王国にプロタゴニスト、ジークシュトルツ、ユスティーツァを送り込んだ。そして、彼らが敗れた時はギャイアに封じられし最強のドラゴンが復活するよう仕組んでいた。プロタゴニスト、ジークシュトルツ、ユスティーツァ……三体の龍が倒されたことで、大地の裂け目に住む龍、ギャイアにはめられていた力の枷が外れ、最強の龍が目覚めようとしていた。


最終章
弩闘×十王
超ファイナルウォーズ!!!
モモキングは最終決戦に向け、ダイナボルト、マニフェスト、「正義帝」にチームを越えて協力を仰ぐことにした。
一斉に獄鬼夜城に突入するキングマスターたち……
そこに待ち受けていたのは、一王二命三眼槍を持ったジャオウガと、ゴリオ・ブゴリを取り込んだ世界獣龍 テライグニス・アクアエルだった!
チームボンバーから命からがら生還したゴリオ・ブゴリは、鬼札覇王連合からの離反を決意する。だが、目覚めた世界獣龍 テライグニス・アクアエルによって再び意識を支配されてしまった。あまりに強大な力を持ち制御しきれないため、ジャオウガによってギャイアの中に閉じ込められていた、ドラゴンの中のドラゴン。それがテライグニス・アクアエルだ。
このテライグニス・アクアエルは単純な力だけなら我を超える、世界の名を冠するドラゴン!目覚めた今、もはや全てを食らい尽くすまで止まらんぞ!! — 鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ
「新時代の福音」が十二神騎すべての必殺技を受け継いだ「超銀河十二光線」を放つ。だが、テライグニス・アクアエルに到達する前に雲散霧消してしまい、アクアエルの反撃が迫る……が、そこに間一髪で割って入った影があった。漆黒の翼を持つ龍、ゲンムエンペラーだ!!
凶襲したゲンムエンペラーはモモキングの方を一瞥すると、小さく頷いた。それは「オレがテライグニス・アクアエルを倒すから、お前はジャオウガを倒せ」ということに違いない、とジョウ骨キは思った。
ゲンムエンペラーはテライグニス・アクアエルを夢幻の無に呑み込ませようとする。だが、逆に夢幻の無が呑み込まれてしまった。世界を食らう龍は、物質・概念問わず文字通りすべてを「食らって」しまうのだ。すべてを食らうテライグニス・アクアエルに対し、ゲンムエンペラーは夢幻の無を生み出し続ける。圧倒的な暴食と終わりなき夢幻のぶつかり合いの結果、アクアエルは自身の許容量をオーバーしてしまった。許容量をオーバーしたテライグニス・アクアエルを、ゲンムエンペラーは夢幻の無で虚無の向こう側へと追いやった。そして、ゴリオ・ブゴリだけがその場に残った。
テライグニス・アクアエルから解放されたゴリオ・ブゴリは正気を取り戻した。そして己の弱さを反省するとともに、卑怯な精神攻撃を使って他者を操るジャオウガを必ず討つべしと心に誓ったのであった。

獄鬼夜城よ、今こそ我に力を与えよ! — 鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ
獄鬼夜城によってジャオウガが鬼タイムに突入しただと!? しまった、この場に誘い込まれたということか! — U・S・A・SIIFU
4チームのキングマスターとスパダチが束になっても、獄鬼夜城によって鬼タイムに突入したジャオウガにはかなわない。そしてついにジャオウガの強烈な蹴りがモモキングに突き刺さろうとしたその瞬間……スパダチ3人がモモキングをかばい、吹っ飛ばされて邪王門に叩きつけられた!
ジャオウガめ、よくもスパダチを!お前だけは、絶対に許さない!! — 勝熱百覇 モモキングReVo
スパダチをやられて我を忘れたモモキングがジャオウガに特攻しようとしたその時、空から降ってきた3つの影がそれを制止した!メテヲシャワァ、魔王と天使、ギガンディダノスが獄鬼夜城に駆けつけたのだ!
モモキングはギガンディダノスがジャオウガに操られていただけなのを見破っており、「生死万別」を峰打ちで済ませていた。一命をとりとめたギガンディダノスは、戦いの中でも相手の命を大事にするモモキングに共感した。そして、モモキングがジャオウガとの戦いで助けを求めていることをライマー・タロウの占いで知り、獄鬼夜城に参上したのだ!
メテヲシャワァ様、魔王と天使、それにギガンディダノスまでもが現れただと!?そして、あちらからはゲンムエンペラーとゴリオ・ブゴリまで…… 十人のキングマスターが、この場に集結しているではないか!! — 海郷翔天マイギア

十人のキングマスターが集結したことで奇跡が起きた!
チーム切札の移動城塞、桃天守閣がこの場に顕現したのだ!!
これはジャオウガにとって想定外であった。
ダイナボルトが桃天守閣に力を与える!その力とは、マジでボンバーな力!本気を爆発させればすべて解決できる、それがダイナボルトの変わらない信念だ!!
ゴリオ・ブゴリが桃天守閣に力を与える!その力とは、自身の実力を信じぬく力!どのような結果になろうとも満足できるよう全力を尽くすことがゴリオ・ブゴリの誇りなのだ!!
桃天守閣に力を注ぎ切るとゴリオ・ブゴリは、ダイナボルトの隣に立ってモモキングとジャオウガとの最後の立ち合いを見守る。幾度も拳をぶつけ合った好敵手同士、言葉にしなくても伝わるものがそこにはあった。勝負の結果を重視し、必ず勝てるよう努力をする暴拳王国は、勝負の過程で本気になるために、努力より才能で勝負するチームボンバーとは相容れなかった。ゆえにゴリオ・ブゴリとダイナボルトは戦い、そして友情に目覚める運命にあったのだ。
「正義帝」が桃天守閣に力を与える!その力とは、正義の力!誰かのための正義であり続けること、それが「正義帝」のあり方なのだ!!
たどり着いたその答えは 愛の力
(訳:魔王と天使が桃天守閣に力を与えます。その力とは、他者を信じる力。他人を通して自分という存在を見つめ直せることが、魔王と天使の強みなのです。)
「正義帝」の横に桃天守閣から降り立った魔王と天使が立ち、モモキングとジャオウガとの因縁の立ち合いを観測する。互いに相容れない信念を持つとわかりつつも、歩み寄れる領域がある。そんな相互理解がそこにはあった。
理解できない 理解されない ゆえに争いは生まれる
(訳:すべてのものに対して二面性を見る月光王国は、正義という一つの見方に固執するチーム銀河とは相容れませんでした。ゆえに魔王と天使は「正義帝」と戦い、そして共通の敵を倒した果てに、互いに理解しえないものとして理解しあったのです。)
マニフェストが桃天守閣に力を与える!その力とは、究極の自己表現の力!自己表現して承認されること、それが生きる証であり、マニフェストのステートメントなのだ!!
メテヲシャワァが桃天守閣に力を与える!その力とは、美しさを追求する力!刹那の一瞬すら輝いて見えるような充実した体験を得る、それがメテヲシャワァの美学なのだ!!
桃天守閣からキング・マニフェストの隣へとメテヲシャワァが降り立ち、ともにモモキングとジャオウガとの決着を見届ける。美を愛する者同士のシンクロを経て、もはや互いに相棒と呼べるほどの信頼感が二人の間にはあった。刹那の劇に宿る一瞬の美の体験を愛する美孔麗王国は、写真や映像に残る永遠の美を共有しようとするチームウェイブとは最後まで相容れる事はなかった。だが、メテヲシャワァはマニフェストと共に、プロタゴニストという共通の敵と戦う中で互いを理解し、互いの美しさを認めあったのだった。
ギガンディダノスが桃天守閣に力を与える!その力とは、生命の輝きの力!ギガンディダノスは生と死を繰り返す不死樹王国だからこそ生命の力の大事さを知っているのだ!!
桃天守閣から降り立ったギガンディダノスも、モモキングとジャオウガとが最後の攻防を行う様を眺める。最終決戦で生命の輝きを爆発させるモモキングが一体どこにたどり着くのか、それを見届けたいという気持ちだけがあった。
ゲンムエンペラーが桃天守閣に力を与える!その力とは、無の力!何者にも頼らない孤高の存在であることが、ゲンムエンペラーの強さの根源なのだ!!と、チーム零のメンバーは全員思っている。
モモキングとジャオウガとがぶつかり合うのを独り眺めているゲンムエンペラー。零のキングが力を注ぎ切った理由、それは彼らの戦いから強さの本当の意味を知りたいと考えたからだ、とドゥモグラは思った。
ジャオウガに深手を負わされ、治療はもはや不可能と思われていたスパダチ。だが、そこに下町のナポレたんが現れ、「我輩の辞書に不可能の文字はないナポ!」の言葉とともに見事治療を成し遂げた!決め手は下町秘伝のケチャップ。
獄鬼夜城におけるモモキングとジャオウガとの最後の攻防は、配信妖精コスメの中継でInstant Waveを通じて全世界に配信されていた。あらゆる種族が、「十王大戦」の結末を見届けようとしていた。
キングマスターたちの力が桃天守閣に流れ込んでいく!異なる色を結束するような……そしてレインボーの力が強化されていっている……! — 大地妖魔ブラッドラサス
桃天守閣に力が注ぎ込まれた瞬間、ジャオウガの力が弱まっていく!破壊と支配の力を持つ獄鬼夜城よりも、発見と発展の力を持つ桃天守閣の方が強力だということか!? — 爆衆聖者トップアイト
キングマスター9人によって強化された桃天守閣から、モモキングへと莫大な力が!これなら、ジャオウガを倒せるかも!! — 輝晶奇面アクロレイン
桃天守閣に集まったキングマスターたちの力で、モモキングが超絶パワーアップするなんて!これぞ超ド級の闘い、まさしく弩闘だね!! — 機生幻獣ケラパッド

「1つ瞳を光らせた。2つ不死身のももの龍。3つみにくい悪の鬼…。
倒してくれよう、モモキング!!」いよいよジャオウガを倒す時だ!
「1つ瞳を光らせた。2つ不死身のももの龍。3つみにくい悪の鬼…。倒してくれよう、モモキング!!」
いよいよジャオウガを倒す時だ!
おなじみの前口上を言い終わるとモモキングは刀による一撃を、いや九王の力を込めた九撃をついにジャオウガにぶち当てた!全身9か所に深手を負ったジャオウガはたまらず後退すると、一王二命三眼槍で空間を切り裂き、そこに身体を沈めながら最後の捨て台詞を放つのだった。
モモキング、そしてキングマスターたちよ……今宵はここまでだ!だが忘れるな!このジャオウガ、いつの日かまた貴様らの大切な物を必ず奪いに来てやるぞ!!……貴様らがこの場を生き残れればの話だがな!この獄鬼夜城のコアは10分後に爆発し、この世界を消滅させる!ジャハハハハ!! — 鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ
爆発を止めるべく獄鬼夜城のコアの捜索が始まる。そして、マニフェストの跡継ぎであるソーシャル・マニフェストⅡ世がバズりを早期に発見する能力、「アーリーアダプター」を使いコアの場所を突き止めた……しかし!そこには!恐るべき2人の鬼が見張り番をしていたのだった。
我ら獄鬼夜城のコアを守る見張り番! — 「契」の鬼 アカ焔
コアの爆発を止めたければ、まず我らを倒してからにしろ!! —「契」の鬼 アオ霙
一瞬でアカ焔とアオ霙を倒したモモキングたちだったが、コアの爆発まで時間がない!だがそこでメテヲシャワァ、魔王と天使、ゴリオ・ブゴリ、ギガンディダノスの4人が残りの5人のキングマスターに向けて告げる。
「ジャオウガがこの世界で暴れた責任はとる。我ら4人の力で爆発を抑え込もう。お前たちは逃げるがいい」
不意に君がディサピアー それはまるで夏の花火のように
(訳:モモキングたちが獄鬼夜城を脱出した次の瞬間、城そのものが爆発し、4人のキングマスターは轟音とともに消えたのです。)
ジャオウガは空間の裂け目を通って龍頭星雲の向こう側へと去っていき、獄鬼夜城の爆発も4人のキングマスターの犠牲によって惨事には至らなかった……長きにわたる「十王大戦」はついに終結したのだ。だがこの時は誰も知らなかった。世界の歴史そのものの存続が危ぶまれるほどの、恐ろしい危機が迫ってきていることに……。
見事鬼を退治したモモキングは、スパダチたちがちゃっかり回収していた獄鬼夜城の数々の財宝とともに帰還した。彼らは、世界を救った英雄たちとしてその友情譚とともに後世まで語り継がれることだろう。— チーム切札に伝わる伝説
「十王大戦」という正義を守るための戦いは、犠牲を出しながらも勝利という結果で終えることができた。正義は必ず勝つ……ゆえに彼らは正義に殉じた十二神騎たちを英雄として祀りつつ、信じた正義を貫き続ける。 — チーム銀河に伝わる伝説
「十王大戦」でのダイナボルトの活躍は、チームボンバーの面々にさらなる勇気を与えた。彼らはマジでボンバーな毎日をすごし、傷ついた文明の復興を果たしていく。— チームボンバーに伝わる伝説
「十王大戦」への対応でキング・マニフェストの支持率は99.89%(Instant Wave調べ)まで大きく回復し、チームウェイブはより結束力を高める結果となった。総獲得バズは30兆、ソーシャル・マニフェストⅡ世も健やかに育ち次期キングマスター候補も安泰。究極の自己表現で、彼らの求める天国へとより一歩近づいた結果となったのだ。 — チームウェイブに伝わる伝説
強さを求めて我が道を行くゲンムエンペラーを、チーム零の面々はこれからもただひたすらに崇拝していく。将来の夢も過去の幻想も必要ない。無から生まれたものにとって、無こそが最高の生き方。 — チーム零に伝わる伝説
ジャオウガは撤退し、侵略は失敗に終わった。だが、デモニオたちの破壊への欲望はとどまるところを知らない。今も、彼らは次なる侵略の準備を着々と整えている。そう、今度こそすべてを破壊し尽くすために。 — 鬼札王国に伝わる伝説
鬼札覇王連合が解体されたことで、月光王国は人知れず影の中に隠れた存在へと戻ることとなった。そして、彼らは信じている。魔王と天使は次の世界に転生し、その風景を詩にしたためているのだろうと。黒歴史の白詩集は、これからも月光王国の聖典であり続ける。 — 月光王国に伝わる伝説
ゴリオ・ブゴリがいなくなり、暴拳王国のクリーチャーたちは次のキングマスターを決めるトーナメントを開催することにした。そこでは、意外にもマチョシビロが大活躍したという。 — 暴拳王国に伝わる伝説
メテヲシャワァがいなくなっても、美孔麗王国は変わらず劇を上演し続けることにした。散り際、獄鬼夜城とともに爆散するという形で刹那の美しさを見せてくれた、メテヲシャワァの遺志を継ぐために。 — 美孔麗王国に伝わる伝説
鬼札覇王連合が解体されたことで、一度は不死樹王国を見捨てた者たちが帰ってきた。ギガンディダノスを失ったが、生と死を司る彼らはあきらめない。不死の時間の中で、ゆっくりと不死樹王国は再建されていくのだ。 — 不死樹王国に伝わる伝説
